2010-01-01から1年間の記事一覧

大学職員論再考 ―アメリカとわが国の学位のとらえ方の違いー

近年、大学において教員の仕事とされてきた管理運営業務を、職員が担当する場面が増えている。その背景には、大学の大衆化が進むなか、従来の研究業績もさることながら、教員の教育力が問われるようになり、大学行政にかかわっている時間的余裕がなくなった…

SDと大学職員の専門性 −SDは専門性を涵養するのか

大綱化以来、大学改革が急速に進展することになったが、その改革モデルはご存知のようにアメリカの大学制度を範(グローバルモデル)にしたものであった。例としては、大学のミッションを始めとして、シラバス、授業評価、F.D.、G.P.A.などなど枚挙に暇がな…

大学職員の二局化とSDのあり方

一般に、グローバル化によって諸機能の集中と分散が進み、二極化が進行すると言われている。大学職員の場合も例外ではい。今後、組織の意思決定に関わる所謂ガバナンスやマネジメントを構成する層と、決定された事柄を、「手足」となって手順に従い実行する…

教職の分業を前提とした大学職員の専門性について

教育組織と事務組織は大学における車の両輪であると言われながらも、その両者は従来、ある意味で主と従の関係にあった。これは所謂、「大学職員は縁の下の力持ち」といった発言に代表されるような状況だと言ってよい。しかし、近時、大学職員の置かれた状況…

安心と自由の葛藤

近ごろ物騒な事件が多発している。いわゆる「誰でもよかった」という言葉で象徴されるような無差別殺傷事件である。新聞報道によると今年(平成20年)はすでに、この種の犯罪事件が昨年の倍にあたる8件も発生しているという。事件発生のたびにマスコミは、…

第三者評価を機能させるためには何が必要なのか

まず評価を機能させる大前提として、各大学が自らのミッションを明確に設定する必要があろう。わが国の大学において、このミッションに相当する建学の精神は、設置された当時の時代背景を体現してはいるものの、もはや象徴的な意味しか持たず形骸化してしま…

家族内暴力(DV)にはどのような対策がなされているのか

DVとは何なのか 私的領域である家族のうちには、権力と支配といった権力構造がもともと組み込まれており、それを支えているものは、法律さえも予定していなかった非合理的な関係性である。この親密さともいえる関係の対称に位置するのが家庭内における暴力の…

大学職員の専門性を論ずるまえに

91年の205万をピークに、18歳人口は右肩下がりに減少し続け、国立社会保障・人口問題究所の将来予測によれば、2050年には80万人程度になると推計されている。その一方で、4年制大学の数は年々増加の一途を辿っている。この10年間を見ても、大学数は28.5%、16…