大学職員の二局化とSDのあり方

 一般に、グローバル化によって諸機能の集中と分散が進み、二極化が進行すると言われている。大学職員の場合も例外ではい。今後、組織の意思決定に関わる所謂ガバナンスやマネジメントを構成する層と、決定された事柄を、「手足」となって手順に従い実行する者たちとの区別が、ますます明確化することが予想される。大学の現場で、派遣職員が増えているのはその一例と言えよう。
 従って、大学職員の諸問題について論じる場合、いずれの層を念頭の置くのかを常に意識する必要がある。特に職員の専門性や市場でのモビリティを議論するとき、両者の区別のないところでは混乱が生ずるばかりである。
 SDについても同様のことが言える。大学職員全体をとらえ、その能力の底上げを狙いとしているのであれば、「広く、浅く、門戸を広げる」必要があろうし、意思決定にかかわる層を対象にするのであれば、「より狭く、深く、門戸は狭められ」なくてはならない。すなわち、SDは今後、階層分化していくことが求められているのである。
 これまでの「一般」研修制度のように、すべての者を対象にした汎用プログラムでは、情報交換はできたとしても、能力開発といった効果を十分に発揮することはできないだろう。その意味で、今後、諸団体や各大学で実施されるSD設計の動向に注目したい。